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ティム・ハウザー / "LOVE STORIES" [jazz / Male Vocal]

Tim Hauser


Artist : Tim Hauser
Title : "LOVE STORIES"
Release : 2007
Style : Jazz (male vocal)
jazzっぽさ・・・★★★★☆ (4/5p)
お気に入り度数・・・ ※最高は5つ

 「僕が音楽で表現したい事は、全てマンハッタン・トランスファーでやっているから」。

 何故、ソロ作品を発表しないのか?との周囲からの疑問に対し、常にそう返答して来たティム・ハウザーが齢66歳にして遂に待望のソロ・デビューを果たした。ここに至るまでに、どうして彼にはこんなにも時間が必要だったのだろう?。その理由は、本作のライナー・ノーツで解説を担当された鈴木道子さんの文章に拠るところ、彼が若い頃に夢中になって聴いていたフランク・シナトラやトニー・ベネットらのパフォーマンスに有ったのだという。偉大なる先達を畏敬するあまり、彼等と同じ領域(=ソロ)で自分が歌う事に対して、どうしても懐疑的に成らざるを得なかった、おいそれとは簡単に踏み込んではいけない世界だと感じていたと云うのだ。



 
 そんなティムの思い込みが解けて行ったのは、長年歌のキャリアを重ねる内に、何もシナトラと同じように歌えなくとも良いのだ、聴き手の心に届く歌を歌える事こそが良い歌手なのではないだろうか?と、思い至る様になれたから。その気持ちこそが、このアルバムを制作する動機となったそうだ。自らが創設したマンハッタン・トランスファー自体が、既に音楽史に残るだろう偉大なコーラス・グループと評価されていると云うのに、そのリーダーはまた随分と謙虚な人柄だったんだね(^^。

 僕の個人的な思い入れを語ると、その昔マントラを初めて知ったのが、ラジオから流れて来た“ROUTE66”だったゆえ、ティム初のソロが66歳にしてリリースだなんて聞くと、数字が妙に(?)一致しているも何かの因縁。そう思うと、どうにも気になって仕方のないアルバムだったのだ。正直なところを告白してしまうと、最近のマントラ作品は実はあんまりチェックしていなくって、2004年作の『VIBRATE』を買っているくらい(それもブレンダ・ラッセル“Walkin' In N.Y.”をカヴァーしているのが目当てだった^^;)なので、あまり熱心なファンとは云えない。実際、今さらティム・ハウザーのソロ?、買わなくても・・・なんて気持ちも少なからず持っていたのも事実。でもね、店頭の試聴機で①MISTY ROSESを聴いてしまったが運の尽き(苦笑)。ストリングスとガット・ギターが流麗に奏でるボッサの柔らかな調べに乗せて、恋人をバラに見立て愛を囁くティムのなんとも粋なこと!。ハリー・アレンの霞掛かった溜息のようなテナー・サックス・ソロがこれまた艶っぽくて、ムードをさらに盛り上げてるのにもカンペキにヤラレてしまった。僕はこの手の音に弱いんだな(苦笑)。

 そうそう、きっとこのアルバムには③PRISONER OF LOVEケニー・ランキンのクレジットが在るので気になっている彼のファンやAOR系のリスナーさんもいるでしょう。・・・だけど、今回の客演は1曲を4人のリードで回すスタイル。過度な期待は厳禁(苦笑)。 ティムにケニーに“君の瞳に恋してる”のヒットで知られるフランキー・ヴァリにもう一人、(おそらく女性とおぼしき?)ヴォーカリストが加わっているのだが、この声がナンシー・ウィルソンをさらにカラっからに枯らしたような渋い声。男性3人が「僕は君との恋の虜」だと、とてもとても甘~く歌っているので、1人異彩を放つハスキー・ヴォイスには少々違和感を覚える向きも居られるかもネ。楽曲的にはGOLD COMPANYと云うコーラス・グループの参加も彩りを添え、ジャズ・コーラス好きには本作で一番嬉しく聴ける(?)ナンバーかと思われますが、ね(^^。


 彼自身が過去の先達に引け目を感じている様に、率直に云ってしまうとティムは上手さで聴かせる歌手ではない。マントラのファンなら、わざとハズした、ちょっと素っ頓狂なヴォーカル・パフォーマンスは理解し得るところだろうが、それを踏まえても音程があやしい部分もある。トータルでアルバムを見ても、派手な仕掛けがあるわけでもなく、どちらかと云えば地味めなバラッド・アルバムだ。それでも、66歳にしてとろけるようなこのロマンティシズムは大したもの。彼が伝えたいラブ・ストーリーの甘さは充分に聴き手に伝わってくる。こんな素敵なお爺ちゃん、成りたくてもなかなか成れるもんじゃないよね~。是非、見習いたいものですヨ(^^;。




ラブ・ストーリーズ ラブ・ストーリーズ
ティム・ハウザー (2007/09/05)
キング

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01. MISTY ROSES
02. THE MORE I SEE
03. PRISONER OF LOVE
04. HEARTSTRINGS
05. NINA NEVER KNEW
06. (Paul Desmond's) MY FUNNY VALENTINE
07. LOVE WISE
08. I DIDN'T KNOW THEY WERE HAVING A SPRING THIS YEAR
09. MY LITTLE BROWN BOOK
10. TWO CIGARETTES IN THE DARK
11. I'M JUST A FOOL
12. SHE'S FUNNY THAT WAY

■musicians
Produced by Michael E. "Hutch"Huchinson and Tim Hauser
Arranged by Yaron Gershovsky

Yaron Gershovsky : piano
Richie Goods : bass
Steve Haas : drums
John B. Williams : bass
Baraka : guitar solo on #4
Harry Allen : tenor sax
John Chiodini : guitar
Braian Parquette : percussion
Tom Brechetlein : drums
Kenny Rankin, Frankie Valli, and Gold Company : vocals on #3
and other...


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